2022年9月16日 OMNI 海ごみプロジェクト
逗子 x 東大 ビーチクリーンアイデアワークショップ
-逗子海岸のごみの特徴を理解する-
2022年9月16日、年度末まで続く逗子市と東京大学の取り組みを「未来ビーチクリーンラボ」と名づけ、市民参加型のシリーズのワークショップを開始しました。
第一回となるワークショップのテーマは「逗子海岸のごみの特徴を理解する」です。
ワークショップ冒頭に、東京大学大気海洋研究所の保坂直紀先生より、今現在、海洋ごみの研究がどこまで進んでいて何が問題とされているのか、問題解決に向けて市民が取れるアクションは何なのかをお話し頂きました。
講演を経て、ワークショップ参加者の感じたことや、質問したいことを全体でシェアし合った後は、逗子海岸に焦点を絞り、実際に逗子海岸のごみ拾いと拾ったごみの分析を行うことで、逗子海岸における海ごみの特徴をそれぞれグループに分かれて話し合いました。
最終的に見えてきた3つの特徴は以下の通りです。
・「意図的なポイ捨てより、うっかり出てしまうごみ」
・「新しいごみより、埋まっている古いごみ」
・「大きなごみより、細かく小さいごみ」
住宅街と海岸の距離が近いという地理的特徴を持つ、逗子海岸では海岸で意図的に捨てられたポイ捨てごみよりも、普段の生活の中で思わず出てしまうごみが多いということや、太平洋側に面するためアジア諸国から大型のごみが流れ着くことも少なく小さなごみが多いこと、そして小さいからこそ砂に埋まってしまって拾いづらいことが見えてきました。
各グループで逗子海岸のごみの特徴を分析した後は、その特徴を踏まえてどの様なアイデアがあると良いか、海ごみを”拾う”というポイントに焦点をあてアイディエーションのワークを行いました。
海ごみになる前に川で拾うという拾う”場所”がポイントとなるアイデアや、地形を活用したアイデア、行動促進のアプリから、プロダクトまで幅広いアイデアの種が生まれてきました。
最後は本ワークショップに参加しての学び・気づきを振り返りワークショップは終了。
参加者の数だけ学びや気付きはあるものの、海ごみに関する理解を促進することや、海ごみ問題への自分なりの関わり方を考えることに繋がりました。
【以下、振り返りで出てきた参加者の学び・気付き(原文ママ)】
プラゴミの研究で、管理によって海への流出量に大きく差が出ることが分かっていることに驚いた。この学びによって、現状の取り組みも効果のあるものであり、各グループの発表で様々なアイデアがあると気付けた。
海洋ごみの種類などを学びました。
様々な立場の方々がいたので、沢山の面白いアイデアや視点を知ることができた。型やアプローチは違っても、ゴミを減らすための手法や考えは似ていたので、それぞれのアイデアをさらに組み合わせたり、ブラッシュアップしていけたら面白いなと感じた。
新しいプラごみは少なく、砂にまみれた細かく古いごみが多いこと。
逗子海岸に落ちてるゴミは細かい。
私自身は逗子在住ではないですが、同グループとなった逗子出身の方の意見や視点は鋭いもので、「自分達の住む場所への愛着」がこのような活動の原動力なんだと再確認した。
ビーチクリーンや環境改善活動における参加者と非参加者の「持続的合意形成」という言葉を聞き、活動は誰かに強制されるものでもなく、強制するものでもない事だと納得できる言葉を頂いた。
地元で考えることと日本全体の課題解決について、20~30年先にどうなっていくのか。
今までは台風の後などにみる最近のゴミに注目しがちだったが、2~30年前の古いゴミがたくさんうまっていることに気がついた。また、ディスカッションをする中で、ごみをへらすための様々な解決策があることに気づき、まずは自分ができるとりくみを実践していきたいなと思った。
関心を持つ人の多さ
無関心者の存在を受容している人がいる
ゴミが多い
ごみ≒資源
初めてビーチクリーンに参加しましたが、意図的に捨てられているごみが意外と少なく驚きました。普段から清掃して下さっている方、出さないようにしている方の積み重ねだと思います。
食品のパッケージなど、「うっかりゴミ」を減らす工夫は製造側でいろいろできるのではないかと思った。
自然に発生している”吹きだまり”を逆手にとって有効活用ができそう。というのが面白い。
どこからそのごみが出てきたのかわからないごみが多い。
意図的に捨てたわけではないごみが多く、それをどうにかしないと。
非常に具体的な問題意識を持っている人が多い。